振った側なのに悪者になりたくない心理
気が付けば、振られた側になってしまっていたことを「失恋」といいます。
別れには自然消滅というケースも確かにあります。
ですが、二人の恋愛の終末には、ほとんどのケースにおいてどちらかの「別れ」への決断が存在しているはずです。
振られた側は、多くの場合、振られた理由がわかりません。
しかし振った側は、相手を傷つけることによって自分も傷つきたくないので、その振った理由をあいまいにぼかしてしまう傾向があります。
その結果、振られた側は消化不良のまま別れを強制的に受け入れざるを得ない状況に置かれてしまいます。そのため、苦しみは結果的に倍増します。
この場合、別れを言い出した側にも言い分があるものの、別れの告げ方としては罪づくりであるのは間違いないところです。
「君はまったく悪くないんだよ。だけど自分にもう一緒にやっていく自信がなくなったんだ」
そんな理由のどこに別れに至った具体的な理由があるのでしょうか。こんな意味のわからない別れの理由を提示されて、振られた側が納得できるはずがないのです。
振った側の心理を推し量って弁護するのなら、別れを決断するまでに、かなり大きなパワーを擁しているので、別れを決断した理由についてくらい大目に見てほしいというところかもしれません。ですが、振られた側からしたらたまったものではありません。
振った側なのに、悪者にはなりたくない心理について考えていきます。
振った側は平和裏の解決を望んでいる
振った側は、とにかく自分が悪者になりたくないのです。
そして相手を悪者にもしたくないのです。
あくまで平和裏に別れを提案し、何事もなくその手続きを終えてしまいたいのです。
別れを決意した側が最も恐れるのは、別れを提案して相手が納得しないケースだったり、逆に恨みを買ってしまったりするケースです。関係性が完全にこじれてしまうようなケースですね。
だからこそ、相手を怒らせないように、「あなたは悪くない」という理由を前面に出し、別れは自分のわがままなのだということを猛アピールするのです。
それにより、相手の怒りの矛先をぶれさせ、無意識のうちに納得させようとしているのです。
振られた側になってしまった場合は、そうした振った側の心理も併せて考える必要があります。
別れたいと言い出しておきながら悪者にはなりたくないなんて、なんて都合のいい話なんだ、と言うわけにもいきません。
なぜなら、そうしてまでも「別れたい」と思わせてしまったこちら側にも、大きな責任があるからです。
「別れ」を決意させるまでに相手を追い込んでしまった自分自身の行動を振り返り、猛省する必要があります。
そうしないと、復縁など夢のまた夢です。
復縁には何もかもを飲み込む度量が必要
別れを告げられた時、もし相手が別れの理由をあいまいにし、明確に答えてくれないような場合は、「悪者になりたくないのだ」ということを敏感に察知し、逆に気を遣ってすべてを飲み込んでみてはどうでしょうか。
そうした対応こそが相手にとっては度量の大きさにも映りますし、後腐れなく一旦二人の関係に幕を下ろすことによって、よりを戻すための細い可能性の糸はつながったまま維持できます。
別れを望む相手の希望をすべて気持ちよく叶えてあげることが、逆説的ではありますが、よりを戻すための最良の選択肢といえるのです。
言いたいこと、聞きたいこと山のようにあると思います。
しかしここではそのすべてを飲み込んで、受け入れてしまいましょう。
それが将来的な復縁への第一歩になると信じて。
そして次のステップで、復縁への準備を着々と進めていきましょう。
お互いが悪者にならないことによる別れのメリット
振る側も振られた側も悪者になることなくすんなり別れが成立した場合、お互いに非常に大きなメリットが得られます。
どんな理由があるにせよ、別れに至るということは、それなりに複雑に絡み合った事情があることがほとんどでしょう。
それらの事情をすべて封印してしまい、ただ「別れ」という事実を受け入れてしまうことにより、ほどきたくてもほどくことができない心理的なこじれを、一旦リセットしてしまうことができるのです。
ほどけないなら封印してしまい、時間とともに溶けてなくなってしまうのを待とう、ということです。
これは一つの方法として、ありだと思います。
二人の間に、後々まで尾を引くような悪い印象を残しません。
まさに「後腐れなく」ということです。別れたくない側からしたら、断腸の思いではあるでしょう。しかし、そうなるまでに壊れた関係を構築しなおしたいのなら、あえてそこから二人の努力で修復していくよりも、なかったことにして封印して忘れてしまうという選択肢の方が、将来的な希望は残せる可能性が高いです。
別れに際してお互いに本音をぶつけあってしまうと、心底気持ちが冷め切ってしまう事態に陥るのは間違いありません。本音などは、お互いが歩み寄れる状況でない時にはいうべきではないのです。
もしここで、うまくすっきり別れることができたなら、あとは復縁に向けてのステップを踏むばかりです。やることはたくさんあります。我慢も必要です。それでもあなたが、あの人を忘れられないと思うのであれば。
可能性はここから、大きく広がっていきます。
手順を決して間違ってはいけません。感情的になってしまう当事者の判断は、おおよそ間違っていることがほとんどです。冷静になれる第三者的視点と、客観的マニュアルをここで導入したいわけなのです。
チャンスは一度です。ここを逃してはいけません。